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2022.5.2

築38年 北欧デンマーク 輸入住宅のリノベ①~きっかけ

皆さんおはようございます。久しぶりのブログの投稿になります。

実はこの3月の後半から名古屋市千種区のとある場所で大規模なリフォームを行っています。

築38年になる北欧型の住宅です。

 

 

お客様との出会いは約1年前。

この中古住宅をお客様がご購入された直後に弊社にお電話をいただきました。

急ぎで2階の窓の取り替え工事を弊社にてさせていただきました。

 

その際にも家を全体手を入れリノベーションされる構想をお客様から聞いておりましたが、この度その工事を弊社で請け負わせていただくことになりました。

 

これから数回に分けてこの築38年のデンマーク輸入住宅のリノベーション工事をご紹介させていただきます。

 

 

~昨年行った窓の取り替え工事~

 

●工事のきっかけ

 

インターネットからお問い合わせをいただき現場にお邪魔すると大きな2階の木製窓が腐って外側にはみ出し落ちかかっていました。

その時の画像がこれです。

 

 

 

窓は北欧の代表的なメーカー レノホンダの木製窓です。

レノホンダは取り扱いの日本代理店があるので、メンテナンスはできるのですがさすがに38年前のものとなると修理は不可能と聞きました。

 

 

●窓の取り替えの方針

 

窓の状態は修復で何とかなる状態ではなかったので、ここに関しては日本の窓に取り替えることにしました。

採用した窓はYKKのAPW330です。

 

この窓を採用した理由は2つ。

 

 

1つは

断熱性能が高いこと

横長のこの連窓から眺める素晴らしい眺望を生かしたいので、ガラス面積が大きいものでありながら断熱性が高いことが必須でした。

ご存知のように窓ガラスからの熱損失が最も家の断熱性能に影響を与えるからです。

 

 

それからもう一つの理由は

この家の外観デザインに調和すること

 

現在付いている木製窓は好きな色に塗装することが可能で内装外装ともに茶色のオイルステインで塗装がされています。

できればここの窓を修復したようになるべく見えない方が良いです。

そのため、窓の外装部分に木目になった窓を選ぶ必要がありますが、このAPW330 はそれに対応しています。(ただし内装の色は白色になります)

 

 

 

 

窓の割付に関してはお客様のアイディアで既設とは変えて真ん中に大きなフィックス窓、そして両脇に竪すべり出し窓をつけシンメトリーなデザインとしました。

 

 

●デザイン上、工夫したこと

 

大きなフィックス窓と両脇の窓とのあいだにはデザインと補強を兼ねて間柱が入っています。

 

 

外部にはデザインを他の場所と合わせるためレッドシダーのケーシングをつけました。

ツーバイフォーのサイズがちょうど適していたので、そのまま使ってます。

 

インテリアから見ると出窓風になっています。インテリアに関しても他の窓同様にケーシングを窓周りに1周回す余白を取り窓サイズを決定しました。

 

ちなみにご存じない方も多くいらっしゃいますが、日本の窓はミリ単位まで注文して制作することが可能です。

 

もちろん構造上の制約があり一定の範囲内での寸法になります。

 

 

私が窓をリフォームするときは、家の雰囲気を損なわないように仕上がりを考えてそこから逆算して窓の製作寸法を導き出します。

合わせて、現在の構造開口部に対して大きすぎず小さすぎず、ちょうど良い寸法で発注するように配慮します。

 

今回は窓の割付自体も変わるので結構難易度の高いものでした。

 

発注する前に施工上問題がないか?デザインは周りと調和するか?図面を書いて何度も確認をしました。

 

●施工上、最も注意したこと

 

他の窓はそんな事は無いのになぜこの窓2カ所だけがここまで破損したのでしょうか。

 

 

理由には3つあります。

 

1つは

この窓が付いている2階の南面が最も過酷な環境にさらされること。

 

特にこのおうちは南に垂れた急な斜面に建つ家で、風の時などは南東の方向からかなり激しい風雨が吹きつけると考えられます。

また大きな窓なのでダメージを受けるリスクも高く、最初は少々の隙間や歪みだったかもしれませんがそこにさらに集中的にダメージが加わり枠が腐っていき、現在のような状況になったんだと思います。

 

2つ目の理由は

当初の設計的に少々問題があるのではないかと思います。

 

私が1番問題視したのは、窓の付いている位置が下屋(下の屋根)に対して近すぎることです。

 

 

窓は大抵の場合四角形で4つの辺から作られていますが、

窓が1番ダメージを受けやすいのが下の部分。

先程申し上げたように屋根に強い風が吹きつけた場合跳ね返りでどうしても窓の下の部分に激しく雨が降りかかります。

 

最初このおうちを見るとこの部分が少ししかありませんでした。ほとんど屋根からすぐ窓がついている感じ。

 

作り直す時は私は設計上この部分は少し高めに壁を作って、屋根から離し窓を設置する必要があると判断しました。

その際お客様に「現在より窓の高さがこの分少し高くなりますよ」とご説明をしてご承諾いただきました。

 

 

3つ目の理由は

当時の住人のメンテナンスへの配慮が少し足りなかったかと。

 

ここまでなる前に予兆はずいぶん前からあったはずですが、お施主様からお話を聞くとなかなかそこまでする余裕がなかったようです。

 

以上の3つほどの原因が重なってこのような事態になったと思うのですが弊社としてできる事は1番目の環境、3番目の今までのメンテナンスに関してもどうしようもないので、

2番の収まりについて留意ししっかり施工をさせていただきました。

 

 

 

屋根からの立ち上がりに関しては木の部分は全て鈑金でカバーし、立ち上がりの高さを確保、窓に降りつける雨の流れも自然に外へ吐き出すように工夫しました。

 

 

 

 

 

 

外観のデザインに関しても違和感なく収めることができました。

離れてみたら木のように見えます。

 

 

 

この仕上がりにとてもお客様に喜んでいただきました。

この時も満開の桜を眺めることができましたが、それからちょうど1年経ってやはり満開の時期にこの工事を行っています!

 

 

これから進行中のこのお家のリノベーションをご紹介させて頂きます。

キッチンから浴室やトイレまで、全てが新築の様に新しく作り替えられます。

次回からをお楽しみに―。

 

 

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